腰椎椎間板ヘルニアと診断されて、
『あまり腰に負担を掛けないようにしてください』と指導されることがありますが、 具体的にどんなことに注意するべきか、負担をかけないようにするにはどうしたらいいのかが分からない方も多いのではないでしょうか。
当スタジオに来てくださる方の中にも、負担をかけないようにしていた事が、実は腰に負担になっていたり、良かれと思ってやっていた体操や運動が腰に負担になっている事があります。
そこで、今回は、
『腰椎椎間板ヘルニアの時にやってはいけない事とやってはいけないストレッチ』
をご紹介します
<目次>
1.無理に曲げる・反らす・捻る
背骨を無理に曲げて丸めたり、左右に捻る動きは、椎間板の前方・側方に負荷がかかります。
また、腰椎は構造上、捻られる構造になっていないので、腰を捻る動作は腰椎や椎間板に大きな負担がかかります
日常生活で注意する動きとしては、
床の物を取る
座ったまま後ろに置いてあるものを取る
座って靴を履く
などの動きは、椎間板に負担がかかりますので注意する必要があります。
椎間板ヘルニアの症状が治っていても、これらの動きは注意が必要な動きとなります。
このような動きを行う場合は、以下の点に注意しながら動作を避けるような工夫をするとしましょう。
床の物を取る時 → しゃがむようにする
体の向きを変える時 → 首や腰ではなく体全体の向きを変える
前にかがむ時 → 何かに捕まり腰に掛かる圧を逃す
頭上の物を取る時 → 足台を使う
痛みが出るような動きを理解し、なるべく避けるようにしましょう。
2.重たい物を持ち上げる
重い物を持ち上げることは、特に腰椎や椎間板に負荷がかかります。
普段の生活でも重たい荷物運び、小さなお子様がいる場合には、抱っこなどで持ち上げるときに注意が必要です。
特に気をつけたいのが、重たいものを持ち上げる時にものを体から離して持ち上げようとすると、椎間板にかなりの圧力がかかってしまいます。
そのような場合は以下の点を工夫してみましょう。
重たい物を持つときの工夫
物を持つ時は体になるべく近づけて持つ
やむを得ず重たいもの持ち上げるときは、腰を落としてかがむようにする
3.激しいスポーツ
野球やゴルフなどの回旋系のスポーツは時に椎間板への負担が大きいため、椎間板ヘルニアの原因となります。
症状が強く出ている場合はできるだけスポーツは一旦中止にし、その間は、医療機関を受診したり、歩けるような状態でしたらウォーキングを中心に行うようにしましょう。
4.長時間同じ姿勢でいる
仕事や家事で長時間同じ姿勢でいることは、椎間板ヘルニアには大敵です。
特に、座ってのデスクワークは注意が必要です。
姿勢による椎間板内圧の変化を表した図になります
座り姿勢より立ち姿勢の方が椎間板に掛かる圧を減らすことができます。
2020年以降、在宅ワークが多くなっている方も多いと思いますので、スタンディングテーブルを取り入れてみるのも効果的です。
デスクワークをする際は、机や椅子選びに注意してみましょう。
①最適な座面の椅子の高さ
・床から36~45cm(身長×1/4で算出できます)
②最適な机の高さ
・床から60~72cm
・肘の角度が90度
③差尺
→椅子の座面の高さ−机の高さ
・差尺の目安:28~30cm(身長×1/6で算出)
※坐骨神経痛のブログに詳細を書いたのでご興味ある方はご覧ください
また、時間を決めて、椅子から立ち、トイレや飲み物を取りに行くきっかけを作ると良いルーティンになります。
5.猫背などの不良姿勢
姿勢の悪さは椎間板への負荷を高め、ヘルニアの症状を引き起こしやすくします。
猫背
脚を組んで座る
頭を前に突き出した姿勢
どちらかの肩が下がっている
体や首を長時間ねじったままにする
腰を丸める動作が椎間板に負担がかかりますので、普段の姿勢を気をつける事で負担を減らす事ができます。
6.腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけないストレッチ
腰捻りストレッチは気をつけなければいけません。特に、写真のような姿勢で骨盤を固定して腰を捻るストレッチは注意が必要です。
腰の骨(腰椎)は構造上、捻られるような構造として作られていません。ですので、腰に捻りのストレッチを加えると痛めてしまう可能性があります。
本来、捻りたいのは腰ではなく胸椎ですので胸椎がひねられるストレッチであればいいですが、写真のように骨盤を固定した状態で腕で押しながら捻りを加えると、胸椎ではなく、腰椎が捻られてしまうので、この姿勢でのストレッチは避けた方がいいです。
7.腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけない体幹トレーニング
腰痛と言えば、体幹(腹筋)を鍛えるというイメージがあるかと思います。
体幹(腹筋)トレーニングと言えば、写真のような起き上がり腹筋(シットアップ)をイメージされる方も多いのではないでしょうか?
まさに王道の腹筋トレーニングですね
しかし、この起き上がり腹筋(シットアップ)は背骨や椎間板の内圧を高めてしまうリスクがあります。
ここで腰椎の動きと脊椎にかかる負荷を見てみましょう
上記のように起き上がり腹筋(シットアップ)は脊椎への圧迫ストレスがかなり大きな負荷になりますので、腰椎椎間板ヘルニアのある方や腰に不安のある方には避けた方がよい体幹トレーニングです!!
腰椎椎間板ヘルニアの時にやってはいけない事とやってはいけないストレッチは理解できましたでしょうか?どんな動きが腰に負担のかかる動きなのかを理解しておくと、腰椎椎間板ヘルニアの発症や再発を防ぐ事ができると思います。
やってはいけない動きや体の使い方を知りたい方は、マシンピラティスがオススメです。
腰椎椎間板ヘルニアは、日常生活における姿勢や動作の繰り返しによって起こった結果ですので、適切な運動指導による姿勢や動きの改善が必要です。
そこで、ピラティスでは、最適な体の使い方や運動、姿勢を獲得することができるため、椎間板ヘルニアの治療や予防に欠かせません!
<著者プロフィール>
Comments