脊柱管狭窄症の日常生活で気をつけること|歩く・座る・階段・坂道のポイント
脊柱管狭窄症は「日常生活の動作」を見直すことが大切
脊柱管狭窄症と診断されると、
「どんな運動をすればいい?」
と考える方が多いと思います。
もちろん運動は大切です。
しかし、実際にはそれと同じくらい、
毎日の生活の中で、どのように身体を使っているかが重要です。
なぜなら、私たちが腰を使うのは、運動している時間だけではないからです。
朝起きて立ち上がる
洗面所で立つ
歩いて買い物に行く
階段を上る
坂道を歩く
電車に乗る
荷物を持つ
家事をする
こうした一つひとつの動作の積み重ねが、身体への負荷になります。
腰椎だけを見るのではなく、胸椎・体幹・骨盤・股関節・下肢・歩行まで含めた運動連鎖で考えることが重要とされています。
そこで今回は、『脊柱管狭窄症の日常生活で気をつけること|歩く・座る・階段・坂道のポイント』について詳しく解説します。
<著者プロフィール>

<目次>
①「歩く」と「自転車」で症状が違う!?
脊柱管狭窄症では、歩くのはつらいけれど、自転車なら比較的長く乗れるというケースがあります。
これは、自転車では自然に身体が前傾し、腰椎が軽く屈曲した姿勢になるためです。
歩行はつらいものの自転車なら長時間こげるかという確認や、屈曲位での有酸素運動として自転車を活用する考え方が示されています。
そのため、「歩けないから運動できない」と考える必要はありません。
症状に合わせて、「できる運動の形を探す」ことも大切です。
※ただし、自転車でも症状が出る場合は無理をせず、現在の状態に合わせて調整してください。
前回のブログの中で「腰を反らして姿勢を良くする」は注意が必要〜脊柱管狭窄症の方の歩き方の特徴〜でも説明したように、脊柱管狭窄症の方の歩き方の特徴に、片方の足の接地から反対側脚の接地にかけて、骨盤の前傾と体幹の後傾が生じるとされています。骨盤が前傾し、体幹の後傾が生じると、腰椎では伸展の動きが生じます。
この姿勢により腰椎の過剰な伸展を解決するには、骨盤の後方移動、体幹の前方移動の動きが必要になります。
腸腰筋や下腹部の筋肉がしっかり機能すると骨盤の過度な前方移動を防いでくれますので、腸腰筋や下腹部は鍛えて使えるようにしておきたいですね。
おすすめのエクササイズ
①Footwork
ピラティスのリフォーマーというマシンを使って行う股関節の曲げ伸ばしを行うFootwork。
お尻のしっぽの部分の骨の尾てい骨を床に着けてまま、股関節の曲げ伸ばしを行うと、腸腰筋や下腹部が使えるようになり、盤の過度な前方移動を防いでくれます。


※狭窄症の方は、曲げ伸ばしの際に腰が反ってしまったり、丸まったりしてしまいます。股関節で動きを作り出せるように、体の使い方を覚え込ませることが重要です。
②あぐらRoll Down
※足の裏と裏を合わせてあぐらをかいて背中を丸めながら、後方に倒れていくRoll Downを行うと、下腹部および腸腰筋が鍛えられ、股関節前面、腹筋下部が安定します。
②坂道では「下り」に注意する
脊柱管狭窄症では、坂道の歩行でも症状の出方が変わることがあります。
上り坂では症状が出にくく、下り坂では症状が出やすいという特徴があります。
下り坂で症状が出る場合は、歩幅を狭くして小股にすることをおすすめします。
「坂道を歩くと脚がしびれる」という方は、上りと下りで症状が違うかを確認してみると、自分の身体の特徴を知るヒントになります。
また、下り坂では腹圧が抜けやすくなりますので、台から降りる際に腹圧を入れた状態を保持する動作練習などを行っています。
おすすめのエクササイズ
BOXステップダウン
③立ち上がるときに「腰が反る」動作に注意
日常生活で意外と重要なのが、椅子から立ち上がる動作です。本来、立ち上がりでは股関節や下肢を使って身体を持ち上げます。
しかし、股関節がうまく使えないと、股関節が使えないと腰を反らして立ち上がることになり、腰椎に伸展ストレスがかかるという代償動作が起こり、腰部に負担をかけて症状がでることがあります。
ですので、立ち上がり動作で股関節の機能が非常に大事になります。
またどこに意識を向けるかがすごく重要で、踵(内くるぶし-外くるぶしの真下)と足裏全体で床を押すことが重要です。踵と足裏全体で床を押して立ちあがろうとすると、裏ももの筋肉やお尻の筋肉が反応しやすくなり、股関節の機能が高まります。
一方で、つま先や足の母指球に体重をかけて立ちあがろうとすると腰が反りやすくなりますので注意が必要です。
先ほどご紹介したFootworkは椅子からの立ち上がりの動作を寝た状態で行うエクササイズです。
この時に、腰が反るような姿勢で行ってしまわないように動作パターンを体に覚え込ませることが大事です。また、つま先でFootworkをする場合もありますが、腰が反らないようにコントロールする必要があります。
腰が反ってしまっているFootworkをご紹介します。
これだと見るからに腰が痛くなりそうですよね。でも、椅子から立ち上がる時に腰が痛い方はこのような動きの癖が身についているケースが多く見られます。
このようなエクササイズで動きの癖を修正して、日常生活で腰に負担のかかる悪い動きが出ないように動きを覚え込ませることが大切です。
④「姿勢を良くしよう」と腰を反らしすぎない
脊柱管狭窄症では、姿勢についても注意が必要です。
一般的には、「背筋を伸ばす」、「胸を張る」、「腰を反らす」ことが「良い姿勢」と思われることがあります。
しかし、脊柱管狭窄症では、腰椎伸展によって症状が増悪することがあります。
だからといって、「猫背が正解」ということでもありません。
アプローチには順番があります。
いきなり良い姿勢を保とうと背筋を伸ばそうとしてしまうのではなく、まずは、腰が反らないように、腹圧のコントロールや股関節の伸展の可動域などを確保して、姿勢をコントロールすることができるようになることが重要です。
姿勢を保つために必要な能力が整ってきてから、背すじを伸ばしていくようなエクササイズを行なっていくと、安全かつ効果的に姿勢が変わっていきます。
⑤まとめ
腰部脊柱管狭窄症だけに限ったことではありませんが、腰だけではなく、身体全体のつながりを見ることが大切です。
STEP①
体幹機能の改善
↓
STEP②
股関節機能の改善
↓
STEP③
体幹―下肢の協調性改善
という順番で、最終的には日常生活の動作につなげていきます。
脊柱管狭窄症では、「痛いから動かない」だけではなく、「どの動きなら症状が出にくいのか」を知ることが大切です。
脊柱管狭窄症があっても、身体の状態に合わせて動き方を工夫することで、できることはたくさんあります。
「もう年だから仕方ない」
「狭窄症だから歩けない」
と決めつける前に、今の身体がどの動きに反応しているのかを知ること。そこから、身体の使い方を少しずつ変えていくことが必要になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
脊柱管狭窄症の日常生活で気をつけること|歩く・座る・階段・坂道のポイントはいかがでしたでしょうか?
今回は腰部脊柱管狭窄症について2回シリーズでお伝えさせていただきました。
参考になりましたら幸いです。
下記に第1回の記事のリンクを付けておきますのでお困りの方はご覧ください。
第1回:知識・注意点
第2回:実生活・行動
脊柱管狭窄症の日常生活で気をつけること|歩く・座る・階段・坂道のポイント
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