脊柱管狭窄症で「やってはいけないこと」は?|症状が出やすい姿勢・動作と注意点
「脊柱管狭窄症だから、腰を動かしてはいけない?」
「脊柱管狭窄症と診断された」
「歩くと脚がしびれる」
「腰を反らすと痛みが出る」
そんな症状があると、
「できるだけ腰を動かさないほうがいいのでは?」
と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、脊柱管狭窄症だからといって、すべての運動や動作を避ければよいわけではありません。
TWO-WAYには脊柱管狭窄症の診断を受け、リハビリ目的で来られる方が多くいらっしゃいます。
大切なのは、
「どの姿勢・動作で症状が出やすいのか」
を知ることをセッション中の機能評価やエクササイズを通して理解してもらうことを行なっております。。
そして、
症状が出にくい身体の使い方を身につけながら、できることを少しずつ増やしていくことです。
今回のテーマは、
『脊柱管狭窄症で「やってはいけないこと」は?|症状が出やすい姿勢・動作と注意点』
です。
脊柱管狭窄症の方が知っておきたい「やってはいけないこと」と、症状が出やすいポイントについて解説します。
<著者プロフィール>

<目次>
1)そもそも脊柱管狭窄症とは?
脊柱管は、背骨の中にある神経の通り道です。
脊柱管狭窄症では、加齢などに伴う椎間板、黄色靭帯、椎間関節などの変化によって神経の通り道が狭くなり、神経根や馬尾が圧迫されることがあります。

神経根型、馬尾型、混合型があります。

その結果、
お尻から脚にかけての痛み
しびれ
感覚の変化
筋力低下
などの症状が出ることがあります。
ただし、ここで大切なのが、
「MRIで脊柱管が狭くなっている=必ず症状が出る」わけではない
ということです。
画像上の狭窄と症状の重症度は必ずしも一致せず、症状・神経所見・歩行状態などを合わせて考える必要があるとされています。
つまり、
「画像で狭窄があるから、腰を動かしてはいけない」
と単純に考える必要はありません。
※必ず専門医による診察を受けて医師からの指導を受けてください。
2)脊柱管狭窄症の特徴は「腰を反らすと症状が出やすい」
脊柱管狭窄症で特に知っておきたいのが、
腰椎を反らす姿勢(伸展)で症状が悪化しやすい
という特徴です。

腰を反らす状態が続いたり、腰を反らす動作を繰り返したりすると、狭窄部で神経への圧迫が強くなり、症状が増悪することがあります。
反対に、腰を少し曲げる姿勢では症状が軽減することがあります。

そのため、
長時間立っている
長く歩いている
腰を反らして立っている
高いところを見上げる
腰を反らして物を取る
階段や坂道を歩く
歩き続けると脚が痛くなる
これらの動作の時に、腰を反らす動きが入ってしまっていることが多くあります。
もし思い当たるものがあれば、「腰を反らすこと」と症状の関係を一度確認してみることをおすすめします。
3)「歩くと脚が痛い」は重要なサイン
脊柱管狭窄症で特徴的なのが、
間欠性跛行
です。
これは、
歩いているとお尻や脚に痛み・しびれが出てくるけれど、少し休むと楽になる
という症状です。
例えば、
「最初は普通に歩けるけれど、10分くらいすると脚がしびれてくる」
「少し座って休むと、また歩ける」
「スーパーでは途中でカートに寄りかかりたくなる」
といったケースです。
症状が出るまでの歩行距離や時間、休息によって回復するかなどを確認することが重要とされています。
つまり、
「歩くと痛いから、歩かない」
ではなく、
「何分・何m歩くと症状が出るのか」
を知ることが重要です。
4)「痛みが出るまで頑張って歩く」はおすすめしません
例えば、
「健康のために毎日1時間歩いています」
という方でも、
20分で脚のしびれが出るのに、1時間歩き続けているのであれば、運動方法を見直す必要があります。
脊柱管狭窄症では、症状が出る前に休むという考え方も大切です。
例えば、
30分歩いて症状が出るなら、
30分間歩き続けるのではなく、
10分歩く → 休む → 10分歩く → 休む
というように、歩行時間を分割する方法があります。
歩行は距離や時間を分割するペーシングが生活指導として有効と示されています。
5)「腰を反らして姿勢を良くする」は注意が必要〜脊柱管狭窄症の方の歩き方の特徴〜
脊柱管狭窄症の方に、
「姿勢が悪いから、もっと胸を張って!」
「背筋を伸ばして!」
と伝えるのは、場合によっては注意が必要です。
なぜなら、脊柱管狭窄症では腰椎の伸展によって症状が悪化することがあるからです。
脊柱管狭窄症の方の歩き方の特徴に、
片方の足の接地から反対側脚の接地にかけて、骨盤の前傾と体幹の後傾が生じるとされています。
骨盤が前傾し、体幹の後傾が生じると、腰椎では伸展の動きが生じます。

つまり、歩行中に腰椎で伸展運動が繰り返されていることを示しており、間欠性跛行の誘因になっていると考えられています。
脊柱管狭窄症の方に見られる軽度の前屈姿勢は、単純に「悪い姿勢」なのではなく、症状を避けるために身についた姿勢である場合があるとされています。
これはとても重要な考え方です。
例えば、
「背中が丸まっているから直しましょう」
ではなく、
「なぜ、この姿勢を選んでいるのだろう?」
と考える。
もしかすると、その姿勢のほうが脚のしびれが楽だからかもしれません。
6)ただし「ずっと前かがみ」も正解ではありません
ここは少し注意が必要です。
脊柱管狭窄症では、腰を曲げることで症状が楽になることがあります。
だからといって、
「ずっと腰を丸めていればいい」
ということではありません。
長期間、症状を避けるためだけに動きを小さくしていると、身体の使える範囲が狭くなってしまうことがあります。
大切なのは、
症状を悪化させない範囲で、少しずつ身体の使える動きを増やしていくこと。
TWO-WAYでは、「正しい姿勢を作る」だけではなく、なぜその姿勢や動作になっているのかを考えることを大切にしています。
7)脊柱管狭窄症で避けたい「3つのこと」
ここまでをまとめると、特に注意したいのは次の3つです。
① 症状が出ているのに、無理して歩き続ける
「運動のためだから」と痛みやしびれを我慢して続けるのではなく、症状が出る前に休むなど、活動量を調整します。
② 腰を反らすことで症状が出るのに、無理に反らす
「姿勢を良くしよう」と腰を反らすことで、症状が増悪する場合があります。
③ 症状が怖いから、ほとんど動かなくなる
過度な安静は身体機能の低下につながるため、資料でも推奨されていません。
つまり、
「動きすぎ」も「動かなすぎ」も、どちらも注意が必要
ということです。
8)こんな症状がある場合は、まず医療機関へ
脊柱管狭窄症では、神経症状が進行すると筋力低下などが起こることがあります。
特に、
足に力が入りにくくなってきた
つまずきやすくなった
足首が上がりにくい
筋力低下が進行している
排尿・排便に異常がある
会陰部の感覚がおかしい
といった症状がある場合には、運動を自己判断で続けるのではなく、医療機関へ相談してください。
進行性の筋力低下や膀胱・直腸障害、会陰部の感覚異常は受診の目安とされています。
まとめ|「動かない」のではなく「症状が出にくい動き方」を知る
脊柱管狭窄症では、
「腰を動かさないこと」
が目的ではありません。
大切なのは、
どんな姿勢・動作で症状が出るのかを知ること。
そして、
症状が出にくい身体の使い方を身につけ、少しずつ活動範囲を広げていくこと。
例えば、
腰を反らすと症状が出る
↓
腰を反らしすぎない姿勢を工夫する
↓
歩行時間・距離を調整する
↓
身体の使い方を改善する
↓
少しずつ活動量を増やす
という考え方です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
脊柱管狭窄症で「やってはいけないこと」は?|症状が出やすい姿勢・動作と注意点はいかがでしたか?
では、実際の日常生活ではどうすればよいのかについては、
次回は、
「脊柱管狭窄症の日常生活|歩く・座る・立つ・階段・坂道で気をつけたいこと」
として、日常生活の具体的な場面について解説していきたいと思います。
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